校長の部屋

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効き目のある一言(1)

 扇橋小学校校長 矢野 敦

 

 このコーナーも不定期とはいいながら、長い間半年以上も更新をせず、申し訳ございません。あまりにも長く未更新だったので、更新するきっかけを失いかけていましたが、ある人の一言が自分の背中を押してくれました。その話は次回にお伝えします。

 今回は持久走記録会の様子です。1月27日から持久走記録会が各学年で実施されています。走る児童と記録をとる児童がペアとなり、互いに校庭の特設トラックを決められた時間周回し、どれだけの距離を走り切ったかを記録します。

 自分の力に合わせて走るので、ペースも走れる距離も人それぞれです。接触による転倒を避けるため、スタート位置をずらす。1回に走る人数を制限するなどの工夫をしました。スタート位置が人によって違うこと、ゴールが位置でなく、制限時間であることから、記録を取るのは困難を極めます。走者は今何周目かわからなくなる(自分にも経験があります)ので、記録を取るペアが必要です。

 素晴らしかったのは、走者は自らの体力に最後までチャレンジし、走り切ったことです。途中でのペースダウンや数歩歩いて息を整えることは当然ありますが、あきらめて立ち止まることはなく、制限時間いっぱい走り切ります。また、記録者、待機者はずっと声をかけ続け、走者を応援し続けていました。誰だって苦しい時間帯があるのですが、走者からそれを感じさせないほどの素晴らしい応援でした。

 1・2年生は記録を取るのも難しいので、5・6年生が記録を取りました。担当する子の名前を聞いたり、記録を教えてあげたりする時、走っている子に向けて応援している時の優しい顔が目に焼き付いて離れません。6年生の中にはトラックの内側から並走して、声をかけ続けている子が何人もいました。走者にとって効果抜群の温かい言葉がたくさん聞かれました。走る子の「走り切りたい」、応援する子の「走り切ってほしい」という思いや願いが一つになったとても清々しい時間でした。

 これからの時代、人と直接コミュニケーションをとる機会は益々減ってくると予想されます。直接人を介さなくてもコミュニケーションをとれる力を付けることが求められている中で、SNSを介したトラブルが世の中で多く見受けられます。闇バイト問題もせめて電話でのやり取りであれば思いとどまることもできたのでは、と思ってしまいます。SNSでも思いや願いが伝わるようなコミュニケーション力は、人と直接触れ合う中でつけていく必要があると思います。ICT機器の活用能力の土台・基礎として、用件だけでなく思いや願いを届けられるコミュニケーション能力を育て続けたいと改めて思いました。

 

 

更新日:2025年02月06日 17:22:17